5月18日 モーティ・マハールでの仕事初日

 7時にセットしておいた目覚ましが鳴り、気持ちよく起床。仕事に行く準備。爪をきれいに切りたかったが、途中で爪切りが壊れた。七時半に小ぶりなどんぶり一杯のシリアルを食べ、用を足す。ぼろいTシャツ、ノート、携帯、財布などをもって宿を出る。

 

余裕をもって仕事場に向かったが、バス停を見つけるのに苦労し、10分ほど遅刻。10分は僕としてもインド人としても許容範囲。店内に入り「遅れてごめんなさい。」と言うと、「朝は道が混んでいるから仕方ないよ。」と予想通りの反応。

 

仕事に対するやる気をアピールするために手を洗い、置いてあったエプロンを勝手に身に着け、何をすればいいか訊いた。「チキンをチョップしてくれ。」と言われる。楽しくおしゃべりしながら仕事をしていたら、作業開始20分ほどで左手薬指を切ってしまった。「これを塗ってじっとしていれば、すぐに血が止まるから。」と言ってタマリンドパウダーを塗ってくれた。

 

マニアックなあるあるネタを収集した気分になり、少しにやにやしてしまう。11時頃、店長のタブレジさんは、「奥さんが病院に行くので同行しなくてはいけない。」と言って店を出て行った。「グッドラック・ウィズ・ユア・ドクター!」と声をかけると、「センキュー。」と言って笑っていた。その後、肉や野菜を切り、洗い物をしているとランチの時間になった。

 

12時から2時までの間にテイクアウトのお客が3組と食べに来たお客が1組来た。英語が話せて、読み書きができる店のスタッフは僕だけだったので、メニューを訊くこと、電話対応、会計はすべて担当した。店に貢献できてよかった。

 

2時ごろ、まかない飯としてマドラス・チキンを食べる。甘くて、うまくて、辛くて、最高。「2時半から4時半まで店を閉めるので、休むなり、散歩するなりしてきていいよ。」と言われる。スーパーでコーヒー牛乳を買い、公園で一息ついた。スパイスがたくさん入った担々麺とインドカレーを出す店を開いて、人々をスパイス依存症にして金を儲ける。世間がスパイス依存症患者であふれかえり、社会が退廃し、いよいよ政府がスパイス禁止令を出す。という妄想をした。