読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ブリスベン最終夜

7月6日

 

 一昨日、ブリスベンでの最後の夜を祝うために、ボトルショップで安いワインを買い、宿で友人たちと飲んでいた。夜の11時頃、宿のスタッフに突然話しかけられ、「外で買ったワインを宿内で飲むことは禁止されている。すぐに宿を出て行ってくれ。」と告げられる。「夜中に追い出すなんて酷すぎませんか。外で買ったワインを飲んでいる人ならたくさん知っていますよ。」などと数分抗議したが受け入れられず、ワインを没収され、最後の夜の分の宿代も返してもらえず、追い出された。

 

 興奮状態を演じて、宿の僕に対する対応が酷すぎるということを訴え続けた。宿のスタッフは、議論の余地は全くないというような態度であった。途中、僕の声が大きかったせいか、何人かの友達が野次馬として集まってきて、僕に加勢するようなことを言ってくれていた。宿のスタッフは少し怖気づいたような感じになっていた。それでもまだ僕を宿から追い出したいようだったので、「わかりました。出て行きます。」と返事をした。

 

 1週間ほど前に宿で会ったカルロというイタリア人青年からテントと寝袋を5ドルで譲ってもらっていたので、今晩はそのテントを公園に建て、一晩過ごすことにした。コーレンという3年間の徴兵を終えたイスラエル人青年にテント建てを手伝ってもらう。テントができたころに、サムというドイツ人青年がビールを持って来てくれた。寒い日が続いていたが、一昨日はほどよい気温でテント泊日和だった。

 

 コーレンは僕がインド料理屋で働いていて、ヒンディー語アラビア語を勉強しているということに興味を持ってくれている。「イスラム教って興味深いよね。」と言う感じである。イフタールのパーティーに僕が毎日参加しているというと、「あれほんと楽しいよね。」とうなずいてくれる。音楽についても趣味が合い、イエメンブルースというイスラエルのバンドを教えてくれた。コーエンはコールズでお菓子を万引きし、すべてのコールズに出入りすることが禁止されたらしい。

 

 コーエンとサムと長々と話し、眠くなってきたので宴を終えた。テントに入って1人でじっとしていると、警察が来ないかとか、誰かに襲撃されないかとか少し不安になったが、すぐに眠れた。

 

 朝目覚めると、外は冷たい雨。鼻水とひどい咳が出る。路上生活は甘くない。テントをたたみ、空港へ向かった。ブリスベンの最後の夜は大変だったが、いい思い出になった。