カシミール

9月20日  

 

 一昨日、キングスクロスの安宿生活を離れ、Auburnという郊外の町に引っ越した。

 

 駅から徒歩で7分ほどにある、5階建ての小ぶりなマンションのようなところで、僕以外には、3人のパキスタン人と、4人のインド人が住んでいる。パキスタン人はカラチから2人、ラホールから1人。インド人は、カシュミールから2人、ラクナウから1人、バンガロールから1人というような感じである。  今日は、カシュミール出身の2人がみんなのためにマトンカレーを作っていた。

 

 ただの家庭料理だと言っていたが、カレーのソースとマトンの煮込みを別々の鍋で丁寧に作っていた。クミン、カレーリーフ、唐辛子を熱い油の中に入れ、薄く切った玉ねぎを炒める。生姜、ニンニクをみじん切りしたものを入れ、ターメリックコリアンダーと続けて入れていく。玉ねぎがあめ色になった頃に、トマトソースを加えさらに煮込む。  

 

 マトンは圧力鍋にマトン、水、ターメリック、ソーンフ、生姜、ニンニク、塩を入れ圧力鍋が湯気を吹くまで煮込む。ゆで汁少しとマトンをソースと混ぜ、煮込み、完成。  

 

 チャパティを作ってくれと頼まれたので、作った。生地をテーブルに打ち付けて捏ねる音や、手の平で生地をのばす音を出した時に、みんながようやく僕がインド料理屋で働いていることを理解したようだった。一口食べて、「実家を思い出す!」と言っていた。

 

 もっと時間があるときに、時間をかけていろいろ作りたいと思う。