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中村博士

10月30日

 

 中村修二博士の「最低5年間は留学が必要」という記事が村役場から送られてきた。東京国際理解セミナーから2か月たって、この記事についてどのように考えるか。という課題が添えてあった。

 

 “日本がここから立ち直るために最重要となるのが、英語力だと思います。世界標準を作る雑談に参加したり、日本の問題点を外に出てはっきり認識するためにも、学生時代に最低4から5年海外留学する仕組みを導入するしかないと本気で考えています。”

 

 正直、百姓の息子である僕には全く関係のない話に聞こえる。しかし、こういうメールが村長から送くられてくるわけなので、関係がある話なのだろうと思う。僕の意識は低い。

 

 「日本がここから立ち直るために」というところが特に僕に関係ないように思える。しかし、それを「僕が世界で活躍するために」というふうに変えれば関係があるように感じられるし、博士が言う「最低5年間は留学が必要」という意見も、正しいように思える。

 

 つまり、僕は後3年、海外で武者修行を積めば、英語でスムーズに雑談ができるようになるであろうということである。

 

 先週の金曜日に、スコットランド人の友達、スコットから電話がかかってきて、「セントラルのバーで飲んでるから、来て!」と誘われた。行ってみると、スコテッィシュ、イングリッシュ、オーストラリアン、ニュージーランダーが5、6人で話しているテーブルにスコットは座っていた。

 

 「おいスコット、おれ以外全員ネイティブかよ。」と思ったが、「ビール飲めば大丈夫。」と自分に言い聞かせ、酔っ払いたちの会話に加わった。終始、僕だけ浮いていたような感じはあった。

 

 数時間経ち、ダーリンハーバーのテクノ音楽がかかるクラブに行こうという話になった。僕はテクノとかハウスとかエレクトロとか言う音楽が好きではないので、「ニュータウンR&Bとかファンクとかロックとかヒップホップとかジャズとか聞きに行く方がよくない?」と提案したが、マイケルというおとなしいイギリス人が「いいね!」といっただけで即却下となった。音楽が共有できないのは少し寂しいと思う。

 

 マイケルはもう長いことピアノを弾いているらしい。ショパンの一番が好きと言っていたが、僕がショパンについて知っていることはほとんどなかったので、「あのなんか寂しいやつでしょ?」という知ったかぶりをしておいた。「夜に音楽聞きたくなったら、どこに行くの?」と聞くと、「感情的な音楽だったらなんでもいいよ。テクノはビートだけだから好きじゃないんだよね」といっていた。続けて、「これからどこ行くの?」と聞いてきたので、「一人でニュータウンに行こうかな。」と適当に答えておいた。

 

 結局、ハンバーガーを買い、家に向かう電車に乗り、食べながら帰った。つまらなくはなかったけど、特別に楽しい夜ではなかった。そんなに楽しい週末が過ごせていない原因の一つに、英語が不自由なことがあると思う。あと、なんとなく友達とどこかに飲みに行くというのもよくないと思う。一人で聞きたい音楽を聴きに行く方がいいと思う。来週末はそうしよう。

 

 なんとなく一人で夜に外出するのを尻込みしているのは、経験が足りなくて、自信がないからだと思う。だから、中村博士が言うように、あと3年くらい海外生活を経験したら、もっと異文化を理解できると思うし、それ以外の文化と、日本の文化と、欧米文化の違いも分かってきて、どこの国でも快適に過ごせると思う。

 

 中村博士はどこかの違うインタヴィューで、日本人技術者のまじめさやチームワークは世界一だと言っていた。だから、あと3年、できれば今から続けて3年、異文化の中で過ごしながら、日本人技術者になれれば、将来、世界で通用する日本人技術者になれるかもしれない。