Karate Kid in Asia made of pain

6月7日(水) Karate Kid in Asia made of pain

 

 いろいろ考えるべきことがあり、錯乱状態になっている。脳内を整理したい。部屋の掃除を始めることからスタートしよう。酒なんて飲んでいる場合じゃない。

 

 Kという音楽プロデューサーが「人との関わりが欲しい。」というような理由で職場にアルバイトに来ている。47歳でカナダのトロント出身、ロシア系ユダヤ人。タイ人の前妻との間の息子が1人いる。今は某有名ブランドのデザイナーの日本人の奥さんがいる。「ファーサイドと仲良しだよ。」とか、「久石譲のジャズアルバムのマスタリングやったよ。」とか言っている。ずーっと話をし続ける感じの人である。チャールズ・ブコウスキーとか、ちょっと言いすぎですけど、酔っぱらうと椅子を投げ始めるロシア系ドイツ人の友達とかを思い出させるバイブである。「ビートニクス好き?」ってきいたけどまあまあくらいかなという返事。サイバーパンクの話になって、「フィリップ・K・ディック、ウィリアムギブソン、ダグラス・カウプランドってみんなカナダに住んでるんでしょ?」っていう話はした。『ニューロマンサー』は好きみたいで、千葉シティという言葉はたびたびおしゃべりのキーワードになっていた。

 

 Kの家で缶ビールを片手にしゃべり続ける2日間があった。Rも一緒にいた。5/30の朝1時頃から翌日朝5時くらいまで。(5/25も仕事終わりにKの家を訪問した。K宅から錦糸町までのナイトウォーク。朝4時過ぎくらいに錦糸町のカプセルホテルで就寝。昼頃出勤して、「ノンストップパーティーしてるでしょ?」と上司に言われた。)Kの家のテラスで8時くらいまで話し続け、16時くらいまで寝る。それからハンバーガーショップでコロナを片手に(ぼくはひとりレッドアイを飲んでいた。3杯くらい飲んだ。Kはハンバーガーではなくシーザーサラダを食べていた。)話し、近くのバーでマティーニを2杯飲んで六本木方面へ。クラブには入らず、道端とパブで過ごした。雨が降ってきたのでパブに入ったような感じだった。終盤Rはパブのソファーに横になって寝ていた。

 

 名画を観たような断片的な風景の記憶を記したい。

 

 「こっぷんかぷ、カナダは寒すぎ、文化も歴史も無い。インディアンはいいけどさぁ。」と言いながら雑踏を歩き(Kはタイにも住んでいた。)、若者たちに挨拶をする。「私はルスキー、お前はタイ人だろ?」とラーメン屋のバイトのお兄さんとじゃれる。「日本人と結婚したから日本人です。」というお兄さん。寒い回答だなと思う。「少数民族としてプライドを持って生きろ、我々はお前をリスペクトしている。」という酔っぱらいのノリに対してパスポートがどこの国か回答してしまっている。シラケである。

 

 「2014年の2回目のマエダン革命の時、ウクライナの友達を訪ねたことがあって。その友達のお母さんが作ったボルシチをビンに詰めてもらって、ドニエプル川のほとりまで乗り合いタクシーで行ったんだよ。ドニエプル川でボート漕いで、ボルシチとマスの燻製を食べたことは忘れられないよ。」と言うと、Kは涙を浮かべて言葉を失っていた。家にはロシア正教のイコンがあったのでKのルーツが察せられた。もっときいてみようかな。「昔ブルガリア人の彼女がいて、おっぱいクソでかくて、生クリームとかチーズとか出てくるかと思ったよ、エミール・クストリッツァを一緒に全部観たんだよ。」という冗談を続けて言ったらより感情が高まっていっているようだった。「20代のとき30代のKawaii OLとセックスしたことがあって、ガーターとかセクシーでそれ以来フェチになっちゃったよ、日本の若い奥さんとかもいいよね。」と元気である風に言ってくれた。移民の国の白人たちも故郷のことが忘れられないということか。北米のインディアンの名前を次々に言っていることがあったので今度はレヴィ・ストロースの話をしてみようと思った。ヘンリー・デビッド・ソローも。ここまでに出てきた作家たちの本を読み返したいと思う。

 

 申し訳ありませんが、もう一度Kellyの家に行ったことを思い出しました。その日はWashington DC出身のCという同僚も居た。うぬぼれさせていただきますが、彼らの目には僕が異質な日本の人と言うふうに映っているようである。自分でも不思議。そういうふうに思っていただけるのであれば、本当にそれを表現する手段が欲しい。こうやって日本語でちょろちょろ書いている現状が腹立たしい。この謎の文章をすべて英語で表現できたら楽しそうだと思う。英語でしゃべっている映像じゃちょっと弱くないですか?日本語の文章はちょっと恥ずかしくてみんなには見せたくないし。日本語のかっこいい文章多すぎじゃないですか?ギター弾くの好きですけど、ちょっとひどすぎですよねー。やっぱり料理頑張るのかなぁ。

 

 Kは日本におけるHip Hopの普及にかなり貢献している人物のようである。具体的なことを書くのは控えようと思う。だけど、きっといつか音楽的な喜びを分かち合いたい。ショボくまとまりたくないなと思う。元気をもらっているのである。